厳選米ドットコムをご覧の皆さま、こんにちは。
熊本の「そよ風農園」の上田博茂・啓子です。
今回は、手作りベーコンについて書きたいと思います。
左の写真を見て、「あれ、お店に売ってある豚のベーコンとは違うな。」と思ったあなた。さすがです。これは、イノシシのベーコンなんです。
大自然の真ん中にある山都町では、田んぼを荒らすイノシシ・鹿の被害が大きく、私も4年前に狩猟免許を取得して、有害鳥獣駆除員の一人として頑張っています。
ワナで捕れたイノシシは自分で捌き、ロース肉は「ぼたん鍋」に、もも肉は「燻製」に、そしてバラ肉は「ベーコン」に加工して、長い冬の晩酌のお供にして楽しんでいます。
まずイノシシのバラ肉に、セージ・ローズマリー・パセリ・タイムなどの香草と、沖縄の塩を混ぜて作ったハーブ塩をしっかりと擦り込み、1週間ほど冷蔵庫で熟成させ、1日かけて水を替えながら塩抜きをします。その後10度以下の風通しのよい場所に吊るしてよく乾燥させますが、この乾燥具合が身の締まったベーコン作りの鍵となります。乾燥が終わったバラ肉を、桜のチップとザラメを混ぜたもので5〜6時間ほど燻煙したら完成です。
私は食べやすいように、昨年購入したミートスライサーで1.5ミリの厚さにスライスして真空パックして保存していますが、今シーズン約40パックほど作った全てを、少しだけ自家用にして、他は人にあげています。
ベーコンを貰った人から、よく「売ればいいのに・・」
と言われますが、絶対売りません。
イノシシを命懸けでワナで獲るのも大変なら、それを一人で運び出すのも大変、そのイノシシを一人で捌くのも大変なら、一切の合成添加物を使用せず本物の手作りベーコンを作るのも実は大変なんです。そこには、お金に代えがたい価値があると自分では思っています。
私が作るお米も、一切の妥協なく作っているからこそ、本当は「売り物」にしたくはないのです。好きな人達に食べてもらって、生活ができればそれが最高なのですが・・・
次回は、「F-15」について書きたいと思います。
お楽しみに!!