2020年9月24日
| はえぬきとささにしきの刈り入れ |
9月20日より新米のはえぬき、21日より新米のささにしきの刈り入れを始めました。
育成の難しいささにしきは倒伏してしまい、収穫予定日より少し早い刈り入れとなります。
昨日ささにしきを炊いて、粒の大きさとさらっとした絶妙な旨味美味しさを家族皆で楽しみ、今年から自信を持ってお客様へ販売できるお米だと確信いたしました。
一坪あたり50株疎植栽培と豊富な珪酸ミネラルで育て上げたささにしきは、文句なく美味しいお米です。
長年育成している新米はえぬきにつきましては、粒の大きさと食味旨味に自信がございます。置賜飯豊下椿のはえぬきは絶品です。
めしゆたかファームのお米は全ての品種を疎植栽培、自然由来のワーコム菌を混ぜ発酵した牛ふん堆肥を田んぼに撒いて育成。稲は盛んに分けつを繰り返し、太く健康に育ちます。
新米のはえぬきとささにしき、お客様へは順次発送開始しております。
雪若丸、つや姫、こしひかりは9月25日以降から収穫を始めます。
今シーズンもめしゆたかファームをどうぞよろしくお願い申し上げます!
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2020年8月17日
| 在庫残りわずか こしひかり |
おかげさまで昨年秋に収穫したつや姫とはえぬきは売り切れ、こしひかりの在庫僅かとなりました。
インターネットを通しお米の販売を始めて2年ほど、まだまだ手探りの状態ではございますが、公式サイトを構築し、食べチョク様などのマーケットプレイスを利用し、多くのお客様から日々ご注文いただき、生産者一同大変感謝しております。
お米は重量があり、持ち運びには労力が伴い、保存が効く農作物なので直販には向いていると思います。
多くの方々の主食であるお米。年間を通し在庫を確保し、美味しく安心なお米を安定してお客様の食卓へお届けし、生産者のお米づくりへの姿勢とこだわり、育成方法を随時紹介していけるよう、日々の農作業と販売活動に力を入れてまいります。
例年だとあと一ヶ月ほどで新米の刈り入れ時期を迎えますが、今年は穂が出揃うのが遅れ、収穫に遅れが生じるかと思われますが、それぞれの品種の特性を活かした旨いお米が収穫できるよう、収穫までの残り期間を手を抜かず過ごしていきます。
引き続きめしゆたかファームをどうぞよろしくお願い申し上げます。
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2020年8月15日
| 穂並び |
ササニシキとはえぬきの穂が出揃いました。
八月も終わり朝晩冷え込むようになると、青々とした稲穂は黄金色へと変化を遂げ、収穫の時期を迎えます。
あと一ヶ月もすると稲刈りの季節となります。
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2020年8月5日
| まもなく出穂 |
梅雨が明け、ようやく天候も落ち着いてきました。
置賜地方は幸いにも豪雨被害はなかったのですが、最上川中流域の被害状況を目にし心が痛みます。
昭和42年の羽越水害では飯豊町も未曾有の水害を経験し、土地の年配者から聞くところによると、わたくしどもの田んぼのすぐ横まで水が溢れ、最上川源流の白川が唸るような大波で濁流となって暴れる様を見たとのことです。
農業は災害との共存。いつ何時自然災害が発生しすべてが無に帰すこともあり得るとの覚悟で、日々の稲作を励んでいきたいと思います。諸行無常の心構えでしょうか。
5月初旬から中旬に植えた苗はすくすくと成長し、まもなく出穂(穂がでること)を迎えます。
毎年8月初旬には穂が顔を出し、出穂後はすべての養分、真夏の照りつける日差しが穂へ注がれ、美味しいお米がつくられていきます。
収穫まであと一ヶ月半ほど。季節の移り変わり、時の流れは早いです。
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2020年7月27日
| 水田の除草 |
気温が上がり太陽の光が燦々と照りつけ、雨が降り注ぐ水田では、稲はぐんぐんと成長していきますが、雑草もすごい勢いで繁茂していきます。
そこで活躍するのが混合ガソリンで動く水田除草機。
めしゆたかファームでは除草剤を使用せず、水田に生える代表的な雑草ノビエ、ホタルイを専用の除草機で取り除きます。
水田の雑草をそのまま放置すると、稲への養分が横取りされ、背丈も稲と同じぐらいになってしまい陽の光も妨げられ、病気への耐性も下がり、稲の減収へとつながります。
農業は雑草との戦いです。
稲作も例外でなく、田んぼの中と畦に無数に繁茂する雑草を放置すると、カメムシなどの害虫の巣となり籾がかじられてしまうため、適宜効率よく刈っていくことが大事です。
色艶の美しい、美味しいお米が収穫できるよう、雑草刈りを含めた作業を日々丁寧にこなすことが大事です。
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2020年6月26日
| 50株植えと60株植えの違い part1 |
疎植栽培の一坪50株で植えた苗は、燦々と照りつける太陽のもと、花開くように勢いよく分けつし、元気に成長しています。
分けつとは植えた苗の根本から新しい茎がでてくること。
疎植栽培で田植えをすると最初はみすぼらしいですが、盛んに分けつした苗は健康そのもの。
一本一本の茎の間には十分な空間が保たれ、風通し良く太陽の光も根本まで届き、病気に強い頑強な太い稲へと育ち、いもち病、紋枯病対策の農薬散布は必要なくなり、粒の大きな旨味の強い美味しいお米が収穫できます。
勢いのある苗を目にするとほっとします。
50株植えは省エネかつ美味しいお米が穫れる、言うことなしです!
画像は50株で植えた苗。勢いよく分けつしております。
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2020年6月26日
| 50株植えと60株植えの違い part2 |
参考までに60株で植えた苗はこちら。
分けつできず、窮屈そうに上へ伸びるしかなく、茎と茎の間に空間がとれないので、風も陽の光も通らず上にばかり伸びるか細い稲へと成長し、病害に弱くなってしまいます。
60〜80株/坪で植えた田んぼからは、お米の量はたくさんとれますが、食味は落ち、粒も小さくなってしまいます。
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2020年6月15日
| おかげさまで”はえぬき”完売いたしました |
昨年秋に収穫した”はえぬき”、おかげさまで多くのお客様にご購入いただき完売いたしました!
ご購入いただきました皆様、ありがとうございました!!
定期購入していただいているお客様の在庫につきましては、9月上旬までの在庫を確保しております。
今年のはえぬき収穫時期は9月下旬を予定しております。
収穫を始めましたら販売させていただきます。
さらっとした炊き具合、噛めば噛むほど旨さが増す。
食味ランク22年連続特Aを受賞。
山形を代表するブランド米、飯豊町下椿産のはえぬきをこれからもよろしくお願い申し上げます!
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2020年6月10日
| 色づく佐藤錦、紅秀峰の実 |
さくらんぼの収穫まであと僅か。
今月は親戚のさくらんぼ農家の手伝いで田んぼと行ったり来たりです^^
佐藤錦、紅秀峰ともに実が色づきました。
さくらんぼハウスの天井はビニールを張り、周囲は網の目状のフェンスで囲い、鳥獣の侵入を防ぐことで、樹になる宝石を守ります。
しっかりと摘果した実の全身に太陽の光が行き渡り、収穫時には真紅へと変貌を遂げ、糖度抜群の美しい姿を見せます。
果樹、特にさくらんぼは本当に手がかかりますが、その分収穫時に目にする神々しいまでの立派な実は惚れ惚れします^^)
山形置賜地方のお米とさくらんぼは最高です!!
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2020年6月9日
| 株間22cm |
先月植えた苗も順調に育ってます。
めしゆたかファームでは、一坪あたり50株、株間は22cmの疎植栽培で稲を育成。
疎植栽培についてはこちらの記事をご参照いただければ幸いです^^
ブログ記事:”美味しいお米づくり 疎植栽培”
https://meshiyutaka-farm.com/riceplantsspace22cm/
測ってみるとちょうど22cm。(当たり前ですが。。^^)
株と株の間に十分なスペースをとることで、風通しがよくなり、太陽の光も苗全体に行き渡り、病気に強い丈夫な稲が育ちます。
田植えの時期からまだ一ヶ月経ってませんが、根をしっかり張り、盛んに分けつを始め、緑の彩りも濃くなり頼もしい限り。
稲の日々の成長を見ているのが楽しい日課です!
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2020年6月5日
| さくらんぼの摘果作業手伝い |
私の親戚が山形飯豊町の隣り、長井市寺泉でさくらんぼ農園を経営しております。
毎年この時期はさくらんぼの摘果、そしてハウスのビニールがけなどお手伝いをしに伺います。
さくらんぼ佐藤錦そして紅秀峰の摘果。
さくらんぼの花が咲き終わり受粉が上手くいくと、一房にたくさんの実がなります。
そのままにしておくと実は小さいまま、色薄く酸味が強い生育不良となり、販売には適さないです。
他と比べ小さな実、発育不良な実、陽が当たらないエリアの実などは取り除き、一房に3〜5つほどの実を残します。
摘果とはこの間引く作業を指します。
滴下することで実同士が接することなく、十分な空間を作ることで太陽の光をたっぷり浴び、真紅に輝く糖度抜群のさくらんぼが収穫できます。
一つの木にはたくさんの房があり実も無数、佐藤錦と紅秀峰合わせ10本を超す木々を全て摘果するので、人手と根気が必要です!
さくらんぼを育成するには多大な労力と気力が本当に必要ですが、摘果はすごく大事な作業なので、来る日も来る日も粛々と進めていきます。
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2020年6月3日
| 分けつ始まりました ササニシキ |
4月末に植えたササニシキの苗が分けつをはじめました。
分けつとは茎の根元から新しい茎がでてくること。
陽の光をたっぷり浴び、元気に成長しています。
80〜90年代、お米といえばササニシキとコシヒカリの2種類しかなかった覚えがあります。
かつては日本全国で作付けされていたササニシキは、冷害と病気に弱く、倒伏しやすいという育成が厄介な品種です。
1993年の平成の米騒動といわれる記録的な冷害で作付けが減少し、今では全国作付面積1%以下。
めしゆたかファームでは昨年、試験的にササニシキを育ててみたのですが、本当に手がかかります!油断すると倒伏してしまうし、お米の量もそれほど穫れず、難儀な品種であることは間違いないです。
しかし、今の温暖化が進んだ東北の気候では冷害は起こりずらく、疎植栽培することで稲の風通しもよくなり、病気にも強くなり倒伏も起こりづらくなるので、今年は昨年より多く作付けし販売してみようと思います!
ササニシキは粘り気ないさらりとした食味、和食との相性が抜群で最高に旨いお米です!昨年収穫したササニシキは本当においしかった。
10月上旬には収穫できると思いますので、目にする機会も減った珍しい絶品のお米をぜひ食べてみてください^^
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2020年5月31日
| 田植え後の光景 |
田植え後、静寂な日常を取り戻した散居村。
夕方の散歩が心地よいです。
苗は根付き、力強く日々成長しております。
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2020年5月24日
| 動画 田植え |
今年の田植えも無事完了。
この時期は天候も安定しているので、田植えもはかどります。
苗植えが終わったきらきらと輝く鏡張りの水田は、息を呑む美しさです。
https://youtu.be/uYlrq_P19L8
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2020年5月22日
| 動画 田んぼの代掻き |
田植えに備え、水を引き田んぼの土を均一にならす代掻き作業の動画です。
代掻き専用ハロー(harrow: 鍬で耕す)をトラクターに装着し、田んぼをぐるぐる周り、丁寧にゆっくりと表面を平らにしていきます。
低速走行なのでポカポカ陽気だとウトウトしがち。集中です^^
https://youtu.be/zBrGyzuZbSU
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2020年5月19日
| 美味しいお米づくりへのこだわり 疎植栽培 |
めしゆたかファームではこだわりのお米づくりの一つ、疎植栽培で稲を育てています。
疎植栽培とは田んぼに植える苗を少なくし、株間を広げて栽植密度を下げる栽培方法。
疎植栽培でお米を作り続け5年ほどになりますが、食味を上げるだけでなく、そのメリットは大きいと実感してます。
メリット1:育苗コスト削減
田んぼに植える苗が少なくてすむので、苗作りのコストを大きく下げることができます。
メリット2:労働コスト削減
田植え時に根の張った苗箱を田んぼに運び、田植え機に載せるのがかなりの重労働。苗箱が少なくてよいので、この運搬作業が減るだけ楽になり負担が減り、作業時間の削減に繋がります。
メリット3:健康な稲が育つ
苗を少なくまばらに植えているので、風通し良く、太陽光が全身に余すことなく行き渡り、稲は太く盛んに分けつし、下葉も枯れず茎が力強く成長し倒伏しません。
メリット4:農薬依存から脱却
稲が丈夫になるので病気にも強くなり、特にいもち病と紋枯病への耐性がつき、この2つの病原菌を予防するために薬剤を播く必要がなくなります。
慣行栽培では一坪あたり60〜80株で植え、株間(稲の植え付け間隔)15cmほどのところ、めしゆたかファームでは一坪あたり50株で植え、株間を22cm程度とっています。
昨今コロナウイルスで話題となっている3密ですが、ソーシャルディスタンスは稲の世界でも健康を保つために大事だと思ってます。
この疎植栽培、稲作農家にとっては一石二鳥どころかそれ以上のメリットがありますが、なぜ多くの農家は慣行栽培の一坪あたり60〜80株の密植栽培、そして稲の病気を防ぐため薬剤を散布しているのでしょうか。
それはJAへ全量出荷しているので、一粒でも多くの量を穫ることを目的としているためです。
もしくは疎植で本当に稲が育ちまとまった収穫量を確保できるのか、経験が無いことからくる不安です。
美味しいお米づくりよりも量をいかに穫るかが収入に影響するため、化学肥料を多く散布し密になった稲を育て、農薬で病気を防ぐ慣行栽培が身に染み付いています。
私どもは個人のお客様へ直接お米を販売しているため、量より質、そして安心安全な栽培方法で、可能な限り農薬と化学肥料に頼らないお米づくりに力を入れ、疎植栽培を取り入れてます。
やはり個人のお客様へ直販する農家は、生産のみならず販売マーケティングも全て自分の頭で思考し行動を起こしているので、お米づくりに対する考え及び行動は、営業活動をせずJAが主要な販売先である農家とは相容れないのが事実です。
美味しいお米づくりへの技術は日進月歩で進化してます。温暖化した気候は半世紀前とは異なり、以前の生産技術は現在にはそぐわず、常に新しい技術を取り入れトライする柔軟さを軸に、試行錯誤しながら美味しいお米づくりに取り組んでおります。
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2020年5月17日
| 田植えの季節 |
苗は順調に育ち、今年も田植えの季節です。
田植え機に苗と肥料をセットし、まっすぐ植えていきます。
田植え機前方左右に置かれた苗は予備のもの。田植え機の後方にセットした苗が減ってくると補充します。
荒野の田んぼが美しい水田へと変化していく、稲作を営んでいると月日の移り変わりを肌で感じ取ることができます。外気は春先の刺すような冷気から穏やかな心地よい陽気へ。
田植えが終わるとまもなく梅雨入りです。
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2020年5月15日
| 田んぼの変遷 |
ほんの1ヶ月前までは閑散としていた田んぼも水田へと変化し、早速カエルたちが鳴き始め、日々騒がしくなるのを感じています。
田んぼはまずトラクターでうなって土を細かく砕き団粒構造とします。(細かく砕かれた土と腐った植物が混ざり合った土の塊)
代掻きでは田んぼに水を引き、さらに細かく土を砕き、田んぼを均一にならします。例えるならトロトロのスープ状態。
乾いた大地から鏡張りの水田へ。
田んぼは僅かな期間で劇的な変遷を遂げます。
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2020年5月12日
| 代掻き |
田んぼのうない(耕す)も終わり、代掻き作業に精を出す日々。
代掻きとは田んぼに水を引き、トラクターにロータリーを装着し、土を均等にならしていく作業です。
代掻きのメリットとは
田んぼの高低差を均一にして水回りを安定、管理を容易にする
田んぼをかき回して土をドロドロに練り上げ、雑草を抑える
苗を植えやすくし、根張りがよくなる
代掻きを終える頃には鏡張りの美しい水田が姿を現します。
大英帝国の旅行家イザベラ・バードは明治初期の初夏にこの地を訪れ、このように表現しました。
”鋤(すき)で耕したというより鉛筆で描いたように美しい、ここは東洋のアルカディア(桃源郷)と”
田んぼの向こうに見える山は天元台。山形県随一の積雪量を誇り、毎年5月連休までスキー場がオープンする春スキーのメッカ。
田植えが終わり、稲がすくすくと成長する6月上旬ごろまで雪をたたえ、その姿を拝むと田んぼ作業で疲れた身体をひんやりと癒やしてくれます。
もうまもなく田植えです。
もうまもなく田植えです。
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2020年5月9日
| スピードカルチの実演 |
昨日ISEKI(井関農機)の方が飯豊町下椿にお越し下さり、Niplo製スピードカルチという高速で田んぼの土をより深く耕す荒起し作業機をトラクターに付け、田んぼを耕す実演が行われました。
私が実際にトラクターを操縦し耕してみたのですが、作業速度が大幅UP!
普段はロータリーを使ってますが、スピードカルチで耕すと3ヘクタール(東京ドームは4.7ヘクタール)ほどの田んぼを一日で終わらすことができます。
ロータリーだと2日〜3日ほどかかり、燃料代もばかにならないですが、スピードカルチだと作業時間が半分以下なので低燃費。
そしてロータリーよりも深く耕すことができ、土をまんべんなくかき混ぜ田んぼの中に空気がしっかり入っているようでいい感じ。
乾土効果(土を乾燥させることにより窒素肥料が増加し、稲の成長促進に役立つ)もばっちりだと思います。
稲の育ち具合、秋のお米収穫量と食味を考慮し、来季以降の導入を考えてみます。
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2020年5月6日
| 動画 田んぼの畦塗り |
畦塗り作業を動画撮影し、iMovieで編集しYoutubeチャンネルにアップしてみました。
撮影も編集も駆け出しですが、お米づくりの日常を撮り続け一歩一歩技術を磨いていければと思います^^
元からある畦と同じ高さで塗っていくには経験が必要です。高低差がついてしまうと歩きづらく、酔ってしまいます。。
美味しいお米の収穫には日々の地道な作業を丁寧に仕上げていくことが大事ですね!
https://youtu.be/V1QxWQ29PE8
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2020年5月3日
| 田植え前の田起こし |
田植え前の必須作業、田起こし。
田起こしとは秋の収穫を増やすことを目的とし、乾いた田んぼの土を掘り起こし、深く耕し地力を向上させる作業です。
カチカチに固まった冬眠空けの田んぼに息吹を吹きこみ、田んぼの土をふかふか布団へ様変わりさせます。
4月も後半になり天候も落ち着き、晴れの日が続き土埃が立つようになると田起こしのサイン。
トラクターにロータリー(耕耘用の刃がついたアタッチメント)を取り付け、田んぼをうないます(うなう=耕耘)。
田起こしには下記メリットがあります。
乾土効果
土を乾かすと土中に含まれているチッソ成分が稲に吸収されやすい形へと変化し、チッソ肥料が増加します。
また深く耕すことによって、より多くの土が空気に触れ(含有)、稲を植えた時の根の成長が促されます。
でもあまり深く耕しすぎるとぬかるんでしまい、田植え機が泥にハマってしまうので注意が必要。
雑草を防ぐ
雑草の種子を土中深くへ埋め込むことにより、雑草が生えてくることを減らす効果があります。
有機物を鋤き込む
秋の収穫後、田んぼには稲の切り株と刈り草(有機物)がそのまま残っていて、ロータリーで土もろともかき回すことで土中に有機物を鋤き込み、この有機物をミミズや微生物が分解し有機質肥料(チッソ、リン酸、カリウム含む)が生成されます。
肥料の三大要素はチッソ、リン酸、カリウム。
チッソは葉・茎の生育促進、リン酸は根の生育促進、カリウムは茎・根を丈夫にし暑さ寒さへの耐候性、病害虫への抵抗性を高めるのに重要な要素となります。
土を細かく砕く
細かく砕かれた土と切り株などの有機物がくっついたものは(団粒構造の土)、排水性・通気性・保水性・保肥性・保温性が高まり、良いことづくしです。
一つ一つの田んぼを丁寧にうない終えると、次は代掻き。
代掻きではさらに土を細かく砕き、土の表面を平らにしていきます。
自然と植物相手なので、田植えが終わるまで待ったなしの作業が続きます。
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2020年5月2日
| 田んぼの畦塗り |
田んぼの畦塗りとは、雪解け後の田んぼが乾く春先、田んぼの四方(水の抜ける箇所)に土の壁(畦)をつくる作業。
”畦(あぜ)”とは田んぼと田んぼの間の土を盛り上げたところを指します。
モグラが穴を空けたり農作業で踏み崩されたり、畦は一年でぼろぼろとなるため、毎年専用の畦塗り機で補強していくことが重要。春先に畦塗りすることで田んぼの水漏れを防ぎ、水管理を効率よく行うことができます。
畦(あぜ)塗り機をトラクターへ装着し、田んぼと田んぼの間に土を盛っていきます。
めしゆたかファームでは普段はブルーのISEKIトラクターを愛用しておりますが、こちらは畦塗り機装着済みのトラクターを近所の農家さんにお借りした時の写真となります。
三菱のトラクターなのでブランドカラーはレッド。
畦を掘り起こすとミミズやカエルたちも掘り起こされるので、シラサギやカラスがどこからともなく舞い降りご馳走にありついてます。
ここ最近急に暖かくなり、明日の日中は29℃の予想。苗もすくすく成長し、いよいよ田植えです!
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2020年4月27日
| ヰセキ田植え機 |
めしゆたかファームでは井関農機(ISEKI)の農業機械を使用しています。
ISEKIのブランド名は”ヰセキ”。創業者の井関さんの苗字が由来です。ヰ(発音はwi うぃ)という文字は現在は使われいない歴史的仮名遣いのようで、全く馴染みないですが、ニッカウヰスキーにも使われてます。
ISEKIの田植え機とコンバインは稲作農家に定評があり、現在のコンバインの主流である自脱型コンバインを最初に開発したのはISEKIです。自脱型とは稲を刈りながら脱穀する機能を備えたもので、自動で脱穀してくれるので農家の手間削減へ大きく貢献しています。
めしゆたかファームの田植え機はもちろんISEKI。カラーはブルー。
農業機械を扱う各メーカーにはそれぞれイメージカラーがあり、ISEKIはブルー、クボタはオレンジ、ヤンマー/三菱はレッドで、農家さんがどのメーカーと付き合いがあるのか田んぼでトラクター作業をしている姿を見ると一目でわかります。
ISEKIの田植え機が優れている点は、ずばり低コストを実現する疎植栽培。
読んで字の如く、田んぼに植える苗の量が少なくても慣行栽培と同等の収穫量が確保できるので、育苗コスト削減に繋がります。
慣行栽培では1 坪あたり60〜70株の苗が必要とされていますが、めしゆたかファームでは50株で田植えを行います。ISEKIのサイトでは37株(慣行栽培で使う苗の約半分の量)でも慣行栽培と同等の収穫量と記載があります。
昨年よりISEKIの最新田植え機を導入し、50株で植えたところ、従来と同程度の収穫量かつ食味も明らかに上がり、大変満足な結果が得られました。
少し感動したのが、ISEKIの田植え機で苗を植えると花開くみたいになります。
植えたばかりの田んぼはすかすかで周りの農家さんから心配されましたが、密植していない花開いた苗は風通しも良く、勢いよく分けつして太い稲が育ちます!
(分けつとは植えた茎の根元から新しい茎がでてくることです)
とにかく密植していないので稲の風通しも良く、病気にならず農薬を減らすことに繋がりました。
さらに大きなメリットが、コシヒカリの稲が倒伏しなかったことです。
太い苗に育つので倒伏に強いのですが、倒伏しやすいコシヒカリが昨年は全く倒伏せず、刈り取りも順調でした!
太い健全な稲からとれるお米は粒が大きく本当に美味しいです。
お米の量を穫ろうとするとどうしても田んぼへ無理をかけざるを得ず、量に比例して食味が劣ってしまうため、収穫量が減らず食味を上げる疎植栽培のメリットは素晴らしい。
安心安全、質の高い美味しいお米づくりへ向け、柔軟な思考で新しいことへ絶えず挑戦、試行錯誤しながら前へ進んでいきます。
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2020年4月25日
| すくすくと育ち緑化した苗 |
太陽の光をたっぷり浴び、苗は順調に緑化し育っております。
一週間ほど前、外に出したばかりの苗はもやしのように白く弱々しかったのが、ビニールシートで寒さを防ぎ、太陽光の下にさらすことで苗が緑化し、芯の通った力強い苗へと成長しました。
成長にムラはなく、苗焼けもしてない健康な苗です。一安心。
ビニールシートを外して約10日間ほど苗代で育て、いよいよ田植えに突入です。
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