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2006年9月7日
| 電気農場日記 2006年8月後半 |
夏の牧草畑
8月17日
相変わらず日差しは強くて気温も高いけれど、なんか風が冷たくなってきた。
空もずいぶん高くて、秋っぽい雲がたくさん漂っている。
ちょっとだけ頭をもたげてきた稲穂が一面風になびく様がとても心地よい。
夏はもう終わったか?
コシヒカリはまだ穂が出ていない。
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8月20日
今日も暑い。
アブラゼミの怖ろしいほどの鳴きよう。
それにしても・・・。
うちの地域にはアブラゼミやヒグラシやらはいっぱい居たけれども、ミンミンゼミは一匹もいなかった。
ミンミンゼミの鳴き声なんて、テレビの中か、よそに行ったときしか聞いたことがなかった。
それが今日。生まれて初めて、家の前でミンミンゼミが鳴くのを聞いた!
衝撃的!!
どっからやってきたのか?
飛んできたのか?なぜ今になって?
それとも虫籠から逃げ出したのか?
不思議だあ。
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8月21日
今日はちょっとした研修会があって、庄内まで有機の田んぼを見に行きました。
最初に見た田んぼはまったくの無肥料で栽培している田んぼ。除草はうちでも使っている除草機「あめんぼ号」の改良型。なかなか優れもので、ノビエはもちろん、コナギも少ししか生えていませんでした。
新しい機械がほしくなってしまった。
稲の姿は茎数が少なめで、穂もそれほど大きくないけれど、一本一本の茎が太くてきれいに開いている。話を聞いてみると、別に特殊な栽培法を取っているわけでもない。品種によって草の形が違うとはいえ、無肥料でこんなになるとは、やっぱり最後は土の力かな。
次に見た田んぼはノビエもコナギもそこそこ生えていて、それでも稲の生育を邪魔するほどではないかなといった程度。一目で除草剤を使ってないのがわかる感じ。
一株の植え込み本数が多めなのか、穂を着けずに枯れていった茎が目立った。稲の姿も慣行栽培っぽい形。
一昔前だと、こういった田んぼを見ると、自分の技術の未熟さを痛烈に思い知らされたのが、最近は冷静に見られるようになった。
それだけ技術が上がったのか、それとも単に慣れてしまったのかな?
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8月24日
いや〜、日中は相変わらず暑いものの、吹く風の涼しさよ。夕方にはすっかり秋の風情でした。
新庄の秋は早い。
新しい乾燥機がやってきました。
最近主流の遠赤外線型です。
今までの温風を籾に吹き付けて水分を飛ばすタイプとは違って、遠赤外線を照射して籾を乾燥させるタイプなので、天日干しと同じような仕上がりになるそうです。
食べるのが楽しみ。
さらに、今回購入したのは「汎用」乾燥機。
米だけでなく、麦、ソバ、大豆の乾燥も出来る型です。
毎年大豆の乾燥では苦労してきましたが、今年は心配なしです。
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2006年8月25日
| 電気農場日記 2006年8月前半 |
夏の夕暮れ
8月07日
暑いなあ。言うとよけい暑くなるけど、言わずにいられない。暑い。
おかげで仕事がさっぱりはかどらない。
朝は涼しいけれど、10m先も見えないほどの濃霧。朝露ぐっしょり。
午前中ちょっと仕事してえ、後はもう暑くて仕事にならない。
3時頃、ちょっと涼しい風が吹いてきたなと思って田んぼに出たら、とてもとても太刀打ちできない。暑くて頭がくらくらする。
アイガモのネットの撤去をしているけれども、いつ終わるやら。
畑の草取りなんかとても向かう気にならない。もー、なるようになれ。
あきたこまちはだいぶ穂が出てきました。
ササニシキとさわのはなも走り穂がちょこっと出始めています。
それにしても、あの日が差さなかった7月から、8月になって一気にお日様が照りだし、よーく田んぼを見てみたら、葉っぱにイモチ病のあることあること。
この天気でだいぶ収まっているけれども、涼しくなってくる今月末から9月頃にまた、今度は穂にイモチ病が付くだろうなあ。
あの天気だったんだから、しょうがないと言えばしょうがないけれども、はたしてどれくらいの被害があるだろうか。見守っているしか手だてがない。
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8月08日
書きたくないけど今日も書く・・・暑い!
台風が来る前にって、大急ぎで田んぼのアイガモネットを撤去しました。
午前中は10時前にギブアップ。午後は4時頃から出動。なんとかやり終えました。
次はあれをやらなくちゃ。いや、やりたいという気持ちはあるんだけれど、なかなか、暑くてゴロゴロしていたいという気持ちもあって、どちらかというと後者の方が勝ってたりして。
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8月10日
有機の田んぼはコナギがすごいことになっています。
コナギ=雑草です。6月の後半、そろそろ田んぼに機械を入れるのは止めようかと思っている頃に、一斉に繁殖してきます。
でもアイガモを入れた田んぼではカモが全部食べてくれるので一本もありません。
と、7月末にアイガモを引き上げた田んぼ、最近一斉にコナギが芽を吹き出した!
これにはビックリ。
はたして収穫に影響はあるんだろうか?
それにしてもしたたかな生命力。怖ろしや。
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8月13日
8月に入ってやっと梅雨が明けたと思ったら・・・・確かに真夏日が続いて暑いんだけれども、なんだか空の具合や雲の具合が秋っぽい感じ。今日も暑かったけれど、風が心なしか冷たい。
このまま秋になっちゃうんだろうか?
なんか、そうなると収穫の方もあまり多くは期待できないのかな。
今日は減農薬田に竹酢液、有機田にヒノキチオールを散布。
とくにササニシキはイモチ病が多く付いている。涼しくなるとまた増え出すのだろうか。心配だ。
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2006年8月25日
| アイガモ顛末記 |
捕獲したアイガモたち
7月28日アイガモ達を捕獲、収容所へ送る。
餌付けしてすっかり従順になっていたアイガモ達は罠とも知らず、餌に導かれるまま、捕獲部屋に収まった。
スムーズに収容作業は終了すると思ったところに心の油断があった。
芋を洗うような混乱の中、一羽のアイガモが仲間の肩に飛び乗り高く跳躍。梁に取り付いて、捕獲作業のため開け放っていた天井から外へ飛び降りた!
さらに油断があった。
群があまりにも従順だったため、包囲の網を解放したままだった。
なんの手だても打てないまま、一羽のアイガモは広大な田んぼの茂みの中へと消えていった。
不覚であった。慢心が招いた当然の結果である。深い悔いが残った。
それから逃亡したカモとの静かな戦いが始まった。
早朝、捕獲部屋に撒いた餌を食べた形跡はある。しかしいっこうに姿を見せない。田んぼの周囲を見回っても、深く茂った8月の稲はカモの姿を完璧に隠してしまっている。気配さえ感じられない。
数日後、満を持して突入作戦をとる。
ぬかるむ田んぼの中を歩き回って探すも、まったくの空振り、徒労に終わる。
ここは我慢比べに徹するか、あるいは囲いをすべてといてしまうか。群れる習性があるだけに、仲間の声につられて、収容所に現れる可能性が無いとも言えない。
悩み続けるも、とりあえず餌だけは撒いておく。
そして8月4日夕刻。
現れた!ついにその時が来た。
夕日に照らされ、捕獲小屋の前にすっくと立つ影。なんと挑戦的な姿。
ここは落ち着かねばならぬ。
これが最後のチャンスかもしれぬ。
そうっと捕獲小屋の前に餌を撒く。
やつが餌に気を取られている隙に、背後に回り込み、囲いの網を閉鎖する。
完璧だ。
ついに自ら囲いの中に突入。
アイガモを追い回すこと数分。ついに、ついに泥にまみれたこの両手はそのアイガモをしっかりと押さえ込んだ。
やった!ついにやった。あの夏の深い夕焼けのもと、ついに私は逃亡者を確保したのである。戦うこと8日。長い道のりだった。
アイガモは収容所に送られ、仲間達と平穏な日々を送ることになる。
そして私は田んぼのネットの収容作業にはいる。
めでたい。今夜は祝杯をあげることとしよう。
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2006年8月8日
| 電気農場日記 2006年7月後半 |
毎日雨降り
7月16日
ここのところ毎日雨降り。
六月中は暑かったので、梅雨の後半はひょっとして天気が悪いのではと思っていたが、やっぱこの天気。
でも気温だけは高め。イモチ病が発生する絶好の気候。
気温24℃前後、湿度が高く、曇りで無風。これが一番イモチ病菌が繁殖しやすい条件だそうです。
周囲の田んぼでもチラホラ病気が出てきたとの話が聞こえだした。
明日あたり、慣行栽培のあきたこまちに穂肥を散布しようかと思っていたのが、天気予報だと一日雨のよう。
そんなわけで、出来るうちにやってしまおうと、穂イモチ病の殺菌剤と化学肥料を散布。
作業中に小雨が降り出した。それでもなんとか今日中にって、ちょっと無理して終わる頃にはずぶぬれ。
でも気温が高い。妙に暖かい。こりゃ、ますます病気が増えていきそうだ。
暖かいんで油断していたら、ちょっとのどが痛い。油断してるとこっちも病気になるよ。
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7月20日
毎日毎日曇りか雨。
日が差さず、暖かく、風がない。絶好のイモチ病日和がずーっと続いていました。
今日、いきなり朝から晴れてビックリ。
夏が来たみたいに日光がジンジン。
朝から晴れたのは21日ぶりと言ったか。今月は平年の19%しか日照がないとか。
明日からまた曇りや雨のイモチ病日和がずっと続くらしい。
梅雨明けは8月にずれ込みそう。
今年の作はどうなるだろう?
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7月21日
やっぱり雨だよ。
昨日の予報だと、昼頃からぽつぽつ来るかなってな話だったから、午前中雨が降るまで小豆と雑穀畑の中耕をやってしまおうと意気込んでいたのに、朝田んぼの水を見回っていたら、さっそく降ってきてしまった。
この調子だと、今年はもう中耕は無理みたいだなあ。
いつもは雨でもけっこう暖かめなのに、今日は長袖がほしいくらい肌寒い。なんだかちょっと冷害の気配がしなくもない。
八月、出穂時期にガンガン暑くなれば、だいぶ持ち直すとは思うのだが・・・・。
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7月23日
梅雨明けはまだまだ先みたいだなあ。と、考えてみると。
梅雨前線は西日本に停滞して、記録的な大雨を降らせている。
梅雨明けって、太平洋高気圧が張り出してきて、梅雨前線が北へ押し上げられ、そして梅雨明けって事でしょ?
ってーことは、東北の方はこれからまた天気の悪い日が続く。
もしかしたら記録的大雨って事も。
どうもこの調子でいくと、8月頭の穂が出る時期にかち合うような気がしてならない。
後から晴れても、作が持ち直すかどうか。
そうなると、冷害による不作って事も十分考えられる。
お天道様のご機嫌次第なんで、考えてどうなるわけでもないけど、心配だあ。
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7月25日
稲の生育はだいぶ後れてきた。
早生品種なんかは止め葉が展開して、そろそろ穂が出始める頃なのに、今年はまだ葉っぱが1,2枚残っている。
幼穂も1〜2cmで成長が止まったまま。
8月の天候回復に望みを繋ぐしかない。
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7月28日
夏が来たかのような昨日、おとといの天気とは一転、今日は田んぼの水があふれ出すほどの、今年一番の大雨。
梅雨明けが待ち遠しい。
稲の穂が出る気配もまだ無い。
午前中田んぼのアイガモを引き上げた。
大雨になる前でよかった。
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2006年7月26日
| 電気農場日記 2006年7月前半 |
田んぼのドブシジミ
7月03日
夏のような暑い日が続いていましたが、やっと梅雨らしい天気になりました。
今日は曇り空の下、田んぼの中をはいつくばっていました。
農家の仕事ってのはこんなモンだ。
で、田んぼの泥をじーっと見ていたら、5mm位の小さな二枚貝が泥の表面でぱっくり口を開けている。
え?田んぼで二枚貝?
タニシみたいな小さな巻き貝は昔からいっぱいいたけれど、二枚貝は初めて見た。
そもそも田んぼに二枚貝が居るのか?
ネットで調べてみたら、それらしいのが「貝エビ」というエビの仲間。
でもこのエビ、西日本に住んでいるみたいで、岐阜県が北限と書いてある。本当にこれか?
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7月07日
7月に入ってからずっと梅雨らしい、シトシトといい天気。
今日は地区の公用。農道の砂利敷きです。
未舗装の農道は農耕車両が走りまくりで、ぼこぼこ穴が空いてきます。
で毎年、地区の予算で、地区民総出で砂利敷きとなります。
来年になればまた穴ぼこぼこになるんだけど。
砂利敷きは午前中で終わって、ご苦労ぶりって事で酒飲み。
生ビールです。公民館にサーバーが常設されてます!
ところで二枚貝。
ジーーっと観察してもやっぱり貝。
さらにいろいろ調べてみたら「ドブシジミ」というシジミの仲間だという事が判明。
田んぼにもシジミがいるんだなあ。
『田んぼの生きもの図鑑・ポケット版』で発見。
『田の虫図鑑』には載ってなかった。虫じゃないから?
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7月08日
今日、突然晴れました。
んでもって、朝から一日雑穀畑の草むしり。
農業ってのはジミーで地道なもんです。
ずうっと雨で、いきなり晴れたもんだから、たっぷり水を含んだ畑の土から、もああっと湿った熱気がたちのぼり、汗がどくどく。
午後からはちょっと風がでて幾分マシでした。
草むしりは癒しの効果があるという。
癒されただろうか?
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7月09日
そろそろわが家の菜園では夏野菜が続々実を付け始めました。
きゅうり、ナス、インゲン、さやえんどう、ジャガイモ、シソ葉に明日葉。
食事が美味くてしょうがない。
明日の食事を思うとうれしくてしょうがない。
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7月11日
暖かくなってきて、土中の有機物の分解が活発になる時期。ガス抜きのため、田んぼの水を落とす。雑草が伸び出すけれども落とさないわけにはいかない。判断が難しい。
有機田は暖かくなってかなりコナギが増えてきた。
コナギは発芽するのに酸素も光も要らないそうだ、この草だけは水を入れようが落とそうが関係ない。田んぼの土をかき回せばかき回すほど増えてくるので、草取りに入ったものかどうか難しい。
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7月15日
農協祭ってのをやっていて、農協の敷地でビール出したり売り物をしたり、トラクターやら田植機やら大小農機具を展示したり。
200万円、300万円、400万円・・・・目が回るうう。気が遠くなるううう。
どうしろというんだあ。
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2006年7月9日
| 電気農場日記 2006年6月後半 |
トンボが羽化する時期
6月16日
田んぼの除草&害虫退治に活躍してくれるアイガモたち。
アイガモって群れる習性があって、体力のないカモは群れに付いていけずに力尽きて死んでしまいます。
大雨のあとなんかアイガモの死体が田んぼにぷかぷか浮かんでます。
生きる死ぬってのを、リアルに肌で感じる毎日。
命のはかない現実に、かなり気が滅入るというか、ヘビーだなあ。生きるってのは・・・
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6月18日
二回目の機械除草を行いました。疲れたあああ。
一回目は足腰に来たけれど、今回は腕と手首。
午前中は曇りで風もなく蒸し暑かったので、あとからあとから汗が湧いて出て、よけい疲れました。
午後からは日が出て、風も少し出てきたので、疲れながらも心地よく仕事できました。
疲れた事にかわりはないけれど。
今日畑で取れたさやえんどうの初物をいただきました。
小さいやつが5,6個しかなかったけれど、美味かった。
もうそんな季節か。
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6月21日
梅雨のまっただ中なのに、今日もものすごく暑かった。
有機&特栽田に追肥。
化学肥料だといつ頃どのくらい与えれば良いかってのが決まっているんだけれども、有機肥料だと肥効の出が遅くて、成分も少なく、材料や製造法によってもどういう風に効いてくるか違ってくるので、なかなか難しい。
とりあえずは毎年茎数が不足する傾向があるので、茎が枝分かれし始める生育中盤にガッチリ効くような感じで追肥してみた。どうだろうか?
夕方ザバッと通り雨。
もっとたっぷり降ってくれ。
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6月22日
相変わらず今日も日差しが強かったけれど、風が涼しかったので、けっこう仕事がはかどった。
今日の仕事は田んぼの畦の草刈り。
長年使っていた刈り払い機がこわれたので、ちょっと排気量の大きなエンジンを積んだ新型を購入。
仕事のはかどる事といったら。なにせ古いやつはエンジンかけるのに一時間かかったりしていたので。
最近はホームセンターなんかで安いのを置いているけれど、やっぱちゃんとしたメーカーのちゃんとした機械は仕事の能率が違います。
畦の草刈り終了。
この季節、生野菜がうまい。毎日バリバリと山ほど食ってます。
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6月25日
特栽・減農薬の田んぼにノビエだけかなり残ってしまった。
さて、除草剤振るわけにもいかないんで、除草機出動です。
ところが、エンジンが、かからない。
30分くらい格闘したあげく、こりゃイカンって事で自転車屋(兼農機具屋)に持って行って直してもらった。
使いたいときに機械は壊れる。当たり前だけど。
それにしても、除草剤と人件費のコスト差。ああ。
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6年06月29日
3回目の機械除草終了。
今日も真夏みたいな快晴。
雲の具合もすごい夏っぽい。
でも風がひんやりしていて、もんのすごい気持ちが良い。
この時期になると、突然コナギが増える。
二回目の除草が終わった頃、所々に芽が見えるな、程度だったのが、一週間もすると、背筋が寒くなるほど増えている。
除草機で取りきれない分は、手取りになるけれども、これから稲の体が変わる重要な時期になるんで、出来れば田んぼに入りたくない。
思案のしどころ。
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2006年6月27日
| 電気農場日記 6月上旬号 |
田の畦に咲くハルジオン
6月3日
熊谷達也の『まほろばの疾風』を読み返した。
八世紀後半の東北、大和朝廷に対して20年もの間抵抗を続けた蝦夷のリーダー、アテルイの生涯を描いた時代小説。
このあたりの歴史はまったく知識になかったので、最初読んだときは「ふ〜ん、なるほど、そうなんだ」くらいの感想だった。その後同じ題材を扱った高橋克彦の『火怨 北の耀星アテルイ』を読んだら、こっちは血湧き肉躍る戦記物。人物設定や展開にだいぶ違いはあるものの、事の前後関係がよくわかった。
そこで、また『まほろばの疾風』を読み返してみたってところ。
狩猟を主に生活の糧として自然と共生してきた蝦夷の人々は、和人の北上により俘囚としての生活を強制されたり、稲作の習得により百姓として生活するものが増えてきた。
自然と共に生きる蝦夷の暮らしを守ろうと朝廷に抗い、戦を始めたものの、戦い続けるには兵糧を蓄えるため稲作に頼る大和のような暮らしをしなければならず、さらに蝦夷の独立国家を作るためには大和朝廷と同じ仕組みを作らなければならない。
いつの間にか少しずつ変わっていく蝦夷の生活。
いったい何のために戦うのか、戦い続ける意味はあるのか。
職業柄、今の日本人の食習慣や農業の事に置き換えて考えたりして。
深い深いテーマです。
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6月8日
アイガモのネット張りがやっと終わった。
腰を曲げての作業はけっこう疲れるし、手間もかかる。
ついでに除草機をかける。
アイガモはノビエを食べてくれないので、田んぼに入れる前に除草機をかけてノビエを退治する。
これまた田んぼの中を歩き回るのが、けっこう疲れる。
今夜はまた消防団関係で一仕事。
朝から晩まで忙しい。
スローライフとか言ってる人がうらやましい〜。
終わったら一杯やろう。
は、明日はまた除草機を引っ張って、一日中田んぼの中を歩き回る。
酒はひかえめにしよう。
あー、のんびりしたい。
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6月9日
寒いです!
ここんとこずっと冷たい東風「ダシ風」が吹いてきます。
おまけに今日は雨。
雨が降り、冷たい風の吹き付ける中、一日中除草機を押して田んぼの中を歩き回っていました。
さすがに疲れた。ふくらはぎに筋肉痛が来そう。
さらっとした粘りのない土の田んぼは雑草が生えやすいかわり、除草機を押して歩くのは比較的楽。
一方、とろっとした感じの土の田んぼは雑草も生えにくいかわり、除草機が土の中に沈んでしまうので、両腕で機械のバランスをとりながら作業せねばならず、腕が疲れる。
一長一短。まあ、終わって何より。今月中にあと2回やる予定。
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6月13日
数年前からペットと化しているアイガモが卵を産み、おとといあたりから雛がかえり始めた。
最初の雛は見つけたときすでに死んでいた。田んぼで働いてもらおうという目論見もあって、二匹目からはかえったらすかさず別のケージに移すようにした。
そしたらまあ、親ガモの威嚇の凄まじい事。
ずーっと卵を抱き続けて、かえったらすぐに引き離されるんだから、わからぬでもないが・・・。
それでも非情な私は容赦なく子ガモを引き離す。
かくして、私と親ガモのピリピリした関係はしばらく続きそうだ。
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2006年5月29日
| 電気農場の日常より 2006/05/29 |
アイガモ待機中
真冬に逆戻りしたような4月から、うってかわって5月はぽかぽか暖かい日が続きます。
以前は田植えが終わると暗い肌寒い日が多かったのに、ここ数年は夏のような陽気が続くようになりました。これも温暖化の影響でしょうか。
おかげさまで苗は順調に生育。例年以上に根張りがよく、葉っぱも硬く締まっています。
20日から田植えを始めました。慣行栽培のモチ米、ヒメノモチを始め、慣行あきたこまち、特別栽培あきたこまちと植え、ここで田植えは一時中断。有機栽培田の二回目の代かき作業を行い、その後田植え再開、無事田植えを終える事が出来ました。
アイガモのヒナも到着。田植えが終わったらアイガモのネットを張って、終わったら畑に種播く準備をして、合間を縫って田んぼに除草機を入れて、ずるずるとこのまま6月まで忙しい日々が続いていきます。
でも合間見て温泉行かなきゃ。
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膨大な書類を4月末の申請期限ギリギリに提出。いやはや、今まで毎年提出していた書類を新しく一から作り直さなければならなかったので、苦労しました。
ほんとにですねえ、今まで続けてきたからなんとか出来たけれど、これを新しく始めるなんてのはかなり難しいんじゃないかなあ。
私も新しく慣行の圃場を無農薬栽培に切り替えたとしても、はたして有機JASの認定を受けるかどうか・・・。
と、一段落ついてホッとしていたら、「書類に不備があります」との通知。
大豆、雑穀の格付記録がないから提出してくれとの事。
「格付記録」とは、有機JAS認定の圃場で収穫された農産物を、「有機栽培農産物」として有機JASマークを表示してどのくらい販売したかの記録のこと。
大豆と雑穀は有機農産物と表示しては販売していないので、書類の提出は必要ないと思っていたら、有機農産物として「販売していない」記録が必要らしい。あーーー面倒この上ない。
この先ずっと続けていく自信がなくなってきた。
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今年産のお米の作付けは昨年と同じ、特栽(減農薬・無化肥)あ
きたこまちと有機栽培ササニシキ、さわのはなは3年目で転換期間
が終了、晴れて有機栽培さわのはなとなります。
あきたこまちの農薬使用は4成分入りの除草剤を一回散布。例年通り8割減の減農薬・無化学肥料栽培です。
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2006年4月8日
| 電気農場の日常より 2006/04/08 |
雪の中で塩水選
全国的な大雪&大寒波で始まった今年の冬。そして春のような3月の陽気。ドンドン雪も融けて、今年は春が早いなと思っていたら、なんだか天気がヘン。
ほとんど雪が消えた3月の後半。そろそろ春作業を始めようと思っていたら、突然の大雪。土の見えだしていた田んぼはまた雪の下。
4月に入っても時々雪が降る。それも積もるほど降る。暖かくなったり、寒くなったり気温の変化がめまぐるしい。なんだかものすごく不安。今年の天候が心配です。
朝早くから白鳥の鳴き声。北へ帰る準備でしょうか。
夕方、空の色がちょっとだけ紅に染まりはじめた頃、白鳥たちが弓のような形の編隊を組んで頭の上を通り過ぎていきました。
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春が来るという事は、今年もまた稲や豆を栽培するという事です。
で、春の作業がまたまた始まりました。
冬の間ぼけていた頭もだんだんと、お仕事モードに切り替わっていきます。
でも、4月なのに時々吹雪になったりして、またやる気が折れたりして。
すっかり定着した種籾の塩水選と、温湯消毒。最近は塩水選をしない農家も増えましたが、無農薬での育苗の場合は塩水選でしっかりと実の詰まった種籾を選別するのが一番肝心。
60℃のお湯に漬けて病原菌を殺菌する温湯消毒は、昨年から塩水選と一緒にやっているんですが、作業に慣れた事もあり、去年は1日半かかったのが、一日で終了しました。小さな進歩。
後はpH調整のため苗の床土に混ぜるピートモス(泥炭)の準備。
ピートモスは乾燥しているとものすごい水をはじくので、種まき時に苗床に水がしみこまなくて苦労します。そこで水と一緒に大きなポリ袋に入れて密封してみました。上手く馴染んでくれるといいんだけど。
その他ビニールハウスの準備や、作業機械の準備や、毎年の事ながら、やる事が一杯です。
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有機の苗作りで一番泣かされたのが「ムレ苗」という病気。主な原因は床土のpH。
しばらく発生していなかったのに昨年また発生。
播種後の低温が原因かなと、この一年保温対策をあれこれ考えていたんですが…。
たまたま農業資材を扱うディスカウントショップで、試薬を使うタイプのpH測定器を見つけたので購入。試しに残っていた昨年の床土を計測してみました。
苗床の適正pHは4.5〜5.5。無農薬育苗の場合は4.5〜5.0の間に納めたい。それがなんと測ってみたら6.0もあった。
ありゃりゃ。昨年の発病の原因はpHだったのか?
昨年は土の中に器具を差し込んで計測するタイプの簡易型pH計で測っていました。適正pH値に収まっていたと思っていたのが、こんなに狂っていたとは。
床土に配合するピートモスやモミガラ炭の割合は毎年の経験の積み重ねから決めているんですが、昨年は土自体を別の土に替えたので、それでだいぶ狂ってしまったようです。
さあ、今年は大丈夫かな。毎年こんな事を繰り返して、ほんの少しずつの前進です。
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4月、5月は農繁期で農作業が忙しくなるため、発送に少々時間
がかかる場合があります。
配達日の指定がある場合はお早めにご注文下さい。
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2006年2月23日
| 電気農場の日常より 2006/02/23 |
まだまだ大雪
当初、去年の大雪ほどは積もらないかなと思っていたのが、いつまでもだらだら降り続いて、最終的には去年をちょっと上回るくらいの大雪になりました。2年連続で記録的な大雪とは参りました。
ずーっと真冬のまんまさっぱり春の兆しがないなと思っていたら、2月も半ば頃から突然暖かくなってきました。冬の訪れも急ならば、春も突然訪れたって感じです。日の光に映える奥羽山脈の美しい事!毎日太陽は顔を出すし、雪もどんどん融けていってます。とはいえ、記録的な大雪だったんで、雪が全部融けるのはまだまだ先です。
冬の間にやっておきたいと思っていた仕事がいっぱい残っているんだよなあ。もちろん屋内の仕事。
こう天気の良い日が続くと、まだ2月なのに、ついつい外に山積みになっている雪の処理に精を出してしまう。いつもの年なら3月の半ば頃からのんびり始めるんですけどね。
この分だと今年の春は例年以上に忙しくなるかも。
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2月11日に仙台で行われた、有機JAS認証のための講習会に、地元の仲間たち4人と行ってきました。
この春からJAS法が改正されて、有機認証についても改正されるという事で、今まで認証を受けていた機関「民間稲作研究所」が新たに作った認証業務専門の「認証センター」で認証を受ける事になりました。
民間稲作研究所は有機稲作の普及に取り組むNPO法人で、認証業務もほとんどボランティア的な金額で運営してきたんですが、JAS法の改正に伴って新たに「中間法人」という形で認証センターを立ち上
げたのでした。
法人ですからある程度の収益は確保せねばならず、認証料も値上げされました。キビシー。
今回の改正の全体の印象としては「外国産の有機農産物を入れやすくする」ための改正、といった印象でした。
一方、国内の有機農産物生産に関しては、実際の生産管理、書類作成など今まで以上に縛りが厳しくなります。生産現場の現実より、流通の方を優先したって感じです。
さらに今までと違って認証機関はあくまで認証業務のみで、認証に関するコンサルタント的な事や、有機農業に関するアドバイスなどはしてはいけない事になったのだそうです。
農家がこれから新たに有機認証に取り組むってのは実際ほぼ不可能なんじゃないかって思いました。
今までは農林大臣が有機農産物を認証する。のを指定された認証機関が代行する。といった形だったのが、これからは認証機関が自分の権限で認証をするといった形になります。しかも法人として収支が取れるところでなくてはなりません。
どうも今建築業界で起こっている問題が、何年か後、有機農業の分野でも起こるんじゃないかって予感がします。
そうなったときに有機JASの価値ってのはどうなるのか?ほんとにこの認証が必要かって疑問がますます大きくなってきました。でも、一度やめたら、ほんとに二度と新たには取り組めそうもないので、
とりあえずはしばらく続けていくつもりでいます。
その上で、有機JASに頼らずに信頼を得られる手だてというのを考えていきたいと思っています。
それにしても今回参加した面々を見てみると、平均年齢が60歳を少し越えるくらいでしょうか。
10年後、日本の有機農業はどうなっているんだろう。
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毎年言ってるけど、お米は今頃からが一番美味い。毎日、毎食つくづく思います。
ただし、冬の間は運動量が少ないので、ちょこっと食べる量を減らしています。体の肉が…春にしっかり動き回れるように。
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2006年1月18日
| 電気農場の日常より 2006/01/18 |
今年も大雪
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
皆様お元気ですか?今年もよろしくお願いします。
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12月、いつもの年なら雨が降ったり、雪が降ったりを繰り返し、徐々に冬になっていくんですが、この冬はいきなり真冬になってしまいました。
日本全国、記録的な大雪!! でも、じつは新庄の方はそれほどでもないんです。
去年の凄まじい大雪に較べると、ほんの少し及ばないかなといったところです。
もちろん例年に較べるとだいぶ多いんですが、なにせ去年の大雪を体験しているんで、そんなに大変だって感覚がありません。毎日の除雪もけっこう余裕を持って作業しています。
記録的って事で、毎日テレビでは大雪による事故の報道。でも、程度の差こそあれ、毎年起きている事なんですよね。
これからが冬本番って事で、今後が心配だってテレビのキャスターは眉間に皺を寄せて、毎日繰り返しているけれども、な〜に、これだけ降ったんだ、もうそんなには積もりませんよ。
ここ何日か暖かい日が続いて、だいぶ雪が融けました。冬の訪れが早かった分、今年は春の訪れも早いかなって楽しみです。
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大雪って事で、仕事の大半は除雪。特にビニールハウスはまめに除雪しないと、潰れてしまう。去年の大雪ではけっこうハウスを潰した人がいたけれども、今年は大丈夫みたいです。去年の教訓が生きているかな。
あとはハウスの中で、黙々と豆類の脱穀、選別作業。あんまり体を動かさない単純作業なんで、だいぶ体が鈍ってきたなあ&よけいな肉が付いてきたなあ。
瞬時に世界中とコミュニケーションがとれる時代に手作業でたらたら脱穀作業をしているなんて、しかもそれを生業としているなんて、考えてみるとほんとに時代錯誤というかスローライフどころの騒ぎじゃないですね。
都会から移住した人がとまどうのは、この生活のリズムというかテンポの違いじゃないでしょうか。こっちから見ていると、スローライフとかいいながらも、都会のテンポで生活している感じです。
都会の感覚で何かをしようとしても、テンポの違い、テープレコーダーの倍速再生みたいな感じでなかなか意味が聞き取れなかったり、逆に都会の人から見れば、スロー再生みたいでじれったく感じたり。
普通の田舎の生活だってこうなんだから、私のやっている事なんか、ほんとにカメの歩みみたいなもんです。
こんなんでいいのかなあ?地味〜な単純作業ばっかりやってると、なんか不安になってきます。早く春よ来い!
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最近CSで観た映画で良かったのが『ションヤンの酒家(みせ)』と『小さな中国のお針子』。どちらも中国の映画です。
『ションヤンの酒家(みせ)』は『山の郵便配達』のフォ・ジェンチイ監督の作品。経済発展めざましい重慶の裏町で露天の飲み屋を営む女性が、複雑な家族関係や恋愛に悩み傷つきながらも、したたかに生きていく様を描いた作品。
『小さな中国のお針子』は中国の山村を舞台に、中国人監督、キャストで作ったフランス映画。文革時代に貧しい山村に送られた二人の青年と村の娘の恋や旅立ちを描いた青春映画です。
最近は普通の人々の普通の生活を描いた映画がけっこう好きです。
普通に生きるってのはほんとにタイヘン。
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2005年12月13日
| 電気農場の日常より 2005/12/13 |
豆腐料理で日本酒を
いきなりの大雪!とうとう冬。いきなりの真冬です!
そして続く大雪。国道がストップしたりしてタイヘン。
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先日、地元の豆腐料理屋「みちのくゆう膳」において、日本酒の会(仮)が開催されました。ってほど大げさなもんじゃないんですが、つまりは豆腐料理を肴に、日本酒を持ち寄って、大いに飲んで米と豆と酒について研鑚を深めようと、こういった次第です。
料理は田楽、豆腐の味噌漬け、粕漬け。がんもどき葛餡かけ、湯葉、黒豆の豆乳、その他もろもろ。こういう料理は普段食べないんで、なかなか新鮮。特に豆腐の味噌漬けは日本酒にピッタリ!
参加者は7名。まず農家2名、私と主催の石井君。地元の酒蔵の蔵人一名。新庄の酒販店主一名。酒米の育種をした農業普及員一名。米穀店一名。そしてゆう膳店主。
どの顔もなにやらこだわりを持った強者揃い。話題はといえば、酒、米、豆。米づくりの話、大豆や小豆の品種の話、酒米の品種の話、お酒の仕込みの話、酒米の適性、蔵癖、山形県の日本酒の話、焼酎と肝癌の関連についてなどなど、話題はどんどんディープな方向へ。酒もどんどん細胞の中へ。そして心地よき酩酊の彼方へと。
久しぶりに心底愉快な酒を飲みました。まんぞく、まんぞく。
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雪の降りしきる中、ハウスにこもっての作業。
日は短いし、除雪作業もあるし、なかなか作業がはかどりません。
雪が音を吸収してスゴイ静かだし、ハウスの中は薄暗いし、なんか仕事する気力もさっぱり。出るのはため息ばっかり。こんな感じの毎日です。
先週アイガモの処理のため、宮城県の加美町まで行ってきました。
天気はいいものの、気温が低いせいかだいぶ雪が残っていて、雪に埋もれてまだ刈り取られていない大豆の畑がけっこう残っていました。
太平洋側とはいえ、奥羽山脈に近いところはやっぱり雪に泣かされるのかなと思ったら、地元の人もこの雪は想定外だったそうです。
帰りに近況を越え、最上町に入ったとたん空を覆う厚い雲と降る雪。天候のハンデを実感。ほんっとに大豆、刈り取ることが出来てよかったあ。
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平成17年もそろそろ終わり。やり残したことはなかったか?
やり残したことはいっぱいあるけど、やれることは全部やったし、後は来年しようっと。
皆様よいお年を。来年やりましょう。
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2005年11月16日
| 電気農場の日常より 2005/11/16 |
秋の日暮れは早い
寒い、寒い。とうとう雪が降ってきました。
ここ新庄は豪雪地帯。これから春までを想うと、この雪の降り始めの季節が大キライ!
コタツが大好き!
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今年の秋はなんだか天気のいい日が多く、作業がスイスイはかどりました。
収穫作業が終わると後片づけ。コンバインやら、籾摺り機やら、乾燥機やら、かなり複雑な機械で、隅々まで掃除するのはけっこう手間がかかります。
作業小屋も稲刈りモードから精米作業&冬の機械収納モードに切り替えです。この機械をあっちにやったり、あの機械をこっちにやったり、またまた頭を悩まします。
それから刈り取った雑穀類、豆類の脱穀作業。なかなか手作業ではかどりません。刈り取り作業とちがって、今やらなきゃダメって作業でもないので、他の仕事があるとついつい後回しになってしまいます。
そうこうしている間にもう11月半ばです。
この時期はもう毎日のように雨降り。日が暮れるのも早いし、仕事がさっぱりはかどりません。
雨が降らない日は冬の大雪で曲がった育苗ハウスの立て替え作業。
大豆の刈り取りもまだだし、他にもまだまだやらなきゃならない外作業があるのに、このまま冬に突入しそうで怖い。
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先日、東京の大学の先生と一杯やる機会がありまして。「農業経済学」ってんですか、日本の農業がこれからどうなるか、どうすべきかって話を聞いたのですが・・・。
どうも今後の日本の農業の方向性としては「大規模化」しかないような感じでしたねえ。
政策としては小さい農家を切り捨てて、大規模農家を作るってのが進められているけれども、その先生が言うのは地域ごとに営農組織を作って、農家から土地を集め、一部の農家が運営していくといった形でした。
政治的にも学問的にも、これからの国の農業を語る上では「農家」なんて仕組みは全くの論外みたいな話しになって行くみたいですねえ。
まあ、確かにこれほど効率の悪い仕組みはないのかもしれませんが、それにしてもこんな面白い商売はないんですけどねえ。
このご時世ですから、金銭面では苦労します。特に今の時期は農協やらなにやらの支払いで毎日ヒーヒーいってます。でも脳みそを違ったふうに働かせれば、これほどやって面白い商売&生活はないと思うんですがねえ。
頭が良くても、想像力ってのが足りないと、世の中どんどん面白くない方に進んでいくような気がします。
十年後、はたして農家ってカタチは残っているんでしょうか?
十年後、皆さんが産直でお米や野菜を買っているのは小さな農家なんでしょうか?大規模農場がその役を果たしているんでしょうか?
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2005年10月13日
| 電気農場の日常より 2005/10/13 |
稲刈り風景
お待たせしました。あきたこまちの新米販売中です。
ササニシキ・さわのはなも近々販売開始します。もう少々お待ち下さい。
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新庄は稲刈りがほぼ終わり、そこら中にあふれていた、あのむせかえる稲穂の臭いがしなくなって、気がついたら東に連なる山脈の上の方が赤紫色に変わってきていたりして・・・秋だなあ。
10月に入り、朝晩めっきり冷え込むようになってきました。9月中、汗をかきながら稲刈りをしていたと思ったら、朝、濃い霧が立ちこめるようになって、にぎやかだった虫の声も寂しくなってき
て、気がついたらこの寒さ、ほんとに時の流れは速いものだと実感です。
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食欲の秋ってぐらいで、やっぱり一番に秋を感じるのは食べ物。
山形ではやっぱりまず里芋。9月、芋の子汁が食卓に上ると、「おっ、もう秋か」って感じます。初夏から毎日食べていたナスの皮が固くなってきたのに気づくと「秋だな」って感じます。親戚が茸を持ってくると「ああ、秋だ」って感じます。親父が山からアケビを採ってくると「秋だ」って感じます。
それから10月。秋がいよいよ深まってきたなって感じるのは、わが家においてはなんといってもブロッコリー。
食卓に茹でたブロッコリーが並ぶと、「あああ、もうこんな季節か」と、しみじみと深まった秋を、そして冬の気配を感じるのです。で、マヨネーズをたっぷりつけてがぶり。ああ、秋だなあ。
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今年は稲刈り中、雨が少なかったので、結構早めに刈り取りが終了しました。
天候が良かったせいか、あきたこまちはカメムシによる着色粒が多めで、三等米となりました。ちなみに一等米は米粒1000粒の内に1粒まで、二等米は3粒まで、4粒から7粒は三等米、それより多
くなると規格外米となります。
早生の品種はどうしてもカメムシの被害に遭いやすい。さらに殺虫剤を使わないとなると、天候によっては等級が下がってしまいます。
現在は籾すり作業中。籾を剥いて玄米にする作業です。ササニシキが終わって後はさわのはなを残すのみ。
晩生の品種はカメムシの被害に遭いにくい。ササニシキは割ときれいで検査では一等米でした。さわのはなはこれからだけれども、もともと見た目が悪く、一等米になりにくい品種なので、どうなるか。まあ、あんまり等級と味は関係ありませんけどね。
籾摺りしながら、コンバインの清掃、乾燥機の清掃、作業小屋の片付け、大豆畑の雑草取り、毎日毎日いろんな作業があります。
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今年も例年通り、有機JASの認証を得ました。
日本農業新聞によると、農水省では2000人規模で、表示違反の監査にあたっており、JAS法違反に問われる生産者や加工業者が急増しているそうです。来年施行される改正JAS法で責任の重くなる、有機JAS認証を行う登録認定機関も生産者の絞り込みをしているらしい。
今まで有機に取り組んできた農家や加工業者も継続が難しくなってきている現状では、新たに有機に取り組むというのはさらに難しくなってくるんじゃ無かろうか。
規制の法だけじゃなく、循環型農業を推進する「有効な」法が出来て、きちんと「実行」されることを望みます。
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2005年9月6日
| 電気農場の日常より 2005/09/06 |
立ち上る夏の雲
ひょんな事で八月の末に富山県の宇奈月温泉に泊まりました。
最近の愛聴盤が胡弓奏者・若林美智子のCD。富山県八尾で毎年九月の初めに三日間行われる「おわら風の盆」の胡弓奏者です。
この時期、宇奈月温泉では「越中おわら宇奈月編」と題された風の盆を再現したイベントが行われています。
夜八時。日が暮れて、涼しい風が吹くころ闇の中から聞こえてくる、寂しげでどこか妖しげな胡弓の響き。温泉街の広場に行くと、ステージが組まれ、かがり火が焚かれ、八尾の地方(ぢかた)の方々の演奏と踊り手たちの静かでやわらかで美しい、何とも荘厳な雰囲気の舞。息を呑むほど。
盆踊りというと、「花笠踊り」や「真室川音頭」、あるいは今はやりの「よさこい」みたいなにぎやかなものという認識があったのですが、この厳かで幻想的な雰囲気には圧倒されました。
第二部は観光客向けの踊り方教室。こういうのは苦手で、あんまり参加しない方なのですが、気がついたらいつの間にか踊りの輪の中に入っていました。ぜんぜん踊れてなかったけれど。
第三部はいよいよ街流し。八尾の踊り手を先頭に、浴衣姿の観光客もこぞって踊りながら温泉街を練り歩く。
哀愁漂う越中おわら節に乗せて、暗い温泉街の路地をゆっくりゆっくり進む踊りの列は現実とは思えない荘厳な雰囲気でした。
司会者によると、「八尾の風の盆のほんのさわりだけ」といった話でしたが、それでも十分に雰囲気は感じ取れました。
本場八尾の風の盆はかなり観光客が多くて、観るのが大変といった話でした。「さわり」だけとはいえ、こういった楽しみ方も良いかも。
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八月は嫌んなるほど暑かった。今年はなんか夜温もあまり下がらず。寝苦しい夜が多かったような。
そうなると仕事なんかやれたもんじゃない。朝仕事をして汗だく、シャワーを浴びて下着を替えて朝食。午前中の仕事をして汗だく、シャワーを浴びて下着を替えて昼飯。下着は一日三回替えます。
後は夕方涼しくなるまでグッタリ昼寝。夕方気が向けばまた一仕事。汗だく。そりゃ仕事もはかどりませんわ。
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有機認証現地確認のその後の経過。
指摘された点がいくつか。
竹酢液の使用について。竹酢液は有機JASでは土壌改良材として使用が認められている。ただし、農薬として登録されていないので、病害虫防除を目的として使用してはいけないと。それじゃあ、有機
酸補給や植物活性を目的としての使用はどうなのかということになるが、どうもその辺はあやふやで、今年は有機栽培については大事をとって竹酢液は使用していません。
抗生物質をたっぷり使ったような鶏ふんの使用が認められているのに、安全性の証明書類の整った竹酢液の使用を躊躇しなければならないってのは訳がわからん。
育苗に使う床土の成分証明書類を提出とのこと。
お役所の方からの指摘。
出荷の際の品種や年産の法定表示。3kg以上の場合はすべての文字を12ポイント以上で表示せよとのこと。
玄米で出荷の場合は「うるち玄米」ではなく「玄米」と表示せよとのこと。
同時にお米を買い上げていって、残留農薬の検査をされました。
結果は「農薬の検出無し」とのこと、一安心。
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稲刈りは9月の中頃から始まって、10月前半まで。その後乾燥、
籾摺り、選別調整。農協で米検査。その後に出荷となり、10月後
半から販売開始の予定です。
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2005年8月9日
| 電気農場の日常より 2005/08/09 |
穂が出るところ
8月最初の週はもんのすごく暑かった。風もなく、夜になっても暑いまま。それでもおととい、昨日と雨が降ったらずいぶん涼しくなりました。もちろん日中は暑いけれども、朝晩だいぶ過ごしやすくなりました。残暑は厳しいものの、新庄の秋は早いのです。
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7月の28日に毎年恒例、有機JAS認定のための現地確認調査がありました。
ちゃんと申請通りの管理が行われているか、認証機関の検査員が書類や現場の確認に来るわけです。
今回はそれに加えて、農水省の出先機関の役人がオマケで付いてきました。
これは認証機関の検査員が、ちゃんと規定に沿って現地調査をしているかチェックするために来たのです。つまり、検査員を検査するために来たのですな。
そんなこともあって、例年以上に細かい。
私が認証を受けている機関の検査員は実際に有機農業をやっている人が多いので、話が通りやすい。
ところが農水省とはいえ、お役人は全くの素人。初歩の初歩から事細かにあれこれ説明して差し上げなきゃならない。
もっともそれは私じゃなくて、検査員の役目で、あまりに細かく突っ込まれるんで、翌日また家に再確認にやってきたほど。
実際有機JAS法ってのは有機農業の普及とは関係なくて、有機農産物を規制するための法律なので、有機農業をやっていこうとする人にはよけいな負担が増えるばかり。使用する資材の組成とか、内容
とか、安全性とか、すべて農家が自分で調べなけばならないことになっているし、作成しなければならない書類の量たるや。
「有機農産物」を名乗るには必ず「有機JASシール」を添付して、毎日の農作物の入荷、出荷管理、シール数の管理、などなど、作る段階に加えてさらに負担が増えます。
市場から偽物の有機を駆逐した功績はあるものの、この法律が有機農業の普及を阻害しているのは間違いのない事実。実際この法律があるために、有機認証を受けない有機農家は家の周辺にもかなりいます。
また、都道府県など、行政がそれぞれ独自に「無農薬」認証をするなんてのもありますが、だいたいそういうのは農協とか大きな出荷業者による大量流通向けの規格なので、個人の農家で認証を受けるには無理があります。
どちらも基本的に市場流通のための規格なので、家みたいな個別宅配を主としている農家は負担が大きいだけでメリットはないのですが、なぜ認証を受けているかというと、コネもなんにもなく、全くの一人ではじめたので、第三者による客観的な証明が欲しいと思ったからです。
圃場の認証だけ受けて、「有機農産物」を名乗らずに販売するという手もあるので、どういう形がベストなのか。まあ、ボチボチ考えていきましょう。
それにしても負担が大きい。とくにデスクワークの負担が。農家ってのは書類を書くのが仕事じゃないってーの。とくに有機農家は耕してなんぼなのです。
こうして有機農産物は一粒も慣行栽培ものもが混じらないように厳しく管理されているのに、遺伝子組み換え作物は5%混じっていても「不使用」と表示できるのはナゼだ??
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2005年7月10日
| 電気農場の日常より 2005/07/10 |
ツバメのヒナ、そろそろ巣立ち。
6月はサッパリ雨が降りませんでした。毎日快晴、30℃を超える日もざら。
7月に入りやっと梅雨らしくなって最上はどんどん緑が深くなっていきます。
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今年の稲の作付けはほぼ去年と同じ。ササニシキのアイガモ田を2枚から4枚に増やしました。雑草対策というよりは害虫対策。機械/手取り除草の田んぼは肥料を速効性の成分を含んだ有機肥料「バイオノ有機」に変えました。これも害虫対策。イネミズゾウムシの幼虫が根っこを食い荒らす前に、出来るだけ生育量を確保しておこうという思惑です。今のところ生育は順調だけれどもまだ油断が出来ません。
減農薬のあきたこまちは農薬使用を、除草剤一回(4成分)から除草剤一回(3成分)+殺虫剤1回(1成分)に変更しました。
農薬の使用回数は1成分1回とカウントしますので、従来通り4回使用、使用量8割減です。
天敵のいない外来の害虫ってのはまったくやっかいなものです。
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毎年恒例、アシードジャパンによる田んぼの草取りツアー。
今年は消防団活動やら、近所の結婚式やらであんまり参加する時間がなかったけれども、遺伝子組み替え食品いらないキャンペーン代表の天笠啓祐氏を招いてのGMについての最新情報など、なかなか中身の濃い内容になりました。とくに日本のGMイネ開発の現状については、知らぬ間にどんどん進んでいるんだなあと、戦慄を覚えるほどです。
その中で印象に残ったことを二、三。
○なぜGM開発が行われるか?
日本でGM作物を開発しているのは主に農水省の研究機関。
独立行政法人となったため実績を上げないと予算が付かない。
「実績」とは論文と特許の数。そのためにGM作物を開発している。
○杉花粉症対策イネとは?
現在開発されているGMイネは消費者メリットがあるといわれている
第二世代GMが主。
杉花粉症緩和米はいわゆる減感作療法のようなもので、花粉症のアレルゲンとなる遺伝子をイネに組み込んで、その米を食べることによって少しずつ体を慣れさせて花粉症を治すというもの。
実はこれには問題点もあって、花粉交雑などで普通の米に混じってしまうと、花粉症ではない人も花粉症になってしまうおそれがある。
メリット面ばかりが宣伝されて、こういったデメリット面は一切表に出てこない恐ろしさ。
○大豆の種子
世界の大豆の6割がモンサント社の除草剤ラウンドアップ耐性大豆一品種が占めているという!
世界中の種の6割がたった一品種ですよ!
これが将来世界の食糧事情にどんな影響を与えるか。食べる側はそんなにピンと来ないかもしれませんが、農業をしている人間からみるとものすごい怖ろしいことに思えます。
天笠さんの話によればラウンドアップには発ガン性があって子供の脳に悪影響を与えるという報告があるという。テレビCMなんかだとものすごい環境に優しいエコな雰囲気になってるんだけど。この辺一般にはゼンゼン出てこない。
これらはあくまで今回のイベントで聞いた話で、科学的な論証とかそういったものは一切してません。でも大概はネットで調べることが出来るので、興味のある人は自分で調べてみてください。
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2005年6月4日
| 電気農場の日常より 2005/06/04 |
田の畦に咲くニョイスミレ
嵐のように忙しい5月が過ぎ、6月になって穏やかの日々が続いています。でもなんかヘン。
この辺の風はほとんど西風。でもここんところ東風や南風ばっかり吹いています。今年の天候は大丈夫かな?
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今年は大雪だったせいか、井戸の水が汲んでも汲んでもあふれてくる。家の田んぼはほとんどが地下水のポンプアップ。もともと水の乏しかった土地だけに、毎年代かき時期には地下水が足りなくて苦労する。
それが今年はゼンゼン苦労なし。面白いように仕事が次々はかどる。
田んぼでは苦労しなかったのですが、苗にちょっと苦労しました。
なにせ最低気温が5℃とか6℃って日が続いたので、いつもの年より生育が後れ気味、さらには後半、低温の影響による障害なんかも出てきて、田植えまで気が気じゃあありませんでした。
毎年いろんな事がありますが、ともかく今年も無事米づくりのスタートを切ることが出来ました。と、感慨に浸っているヒマもなく、アイガモの準備やら畑の種まきやらに追われる毎日です。
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今年の5月はとにかく気温が低かった。天気は割といい方で、雨の日が少なかったにもかかわらず、連日最低気温が5℃とか6℃。家では苗を水の中で育てる「プール育苗」というのをやっています。成長点が水の中で保温されるので生育がよい。霜にあたっても平気。苗に水を張ったらビニールハウスのビニールは剥いでしまう。というやり方です。
普通の年ならこれで上手くいくのですが、さすがに今年はかなり生育が後れてしまいました。家だけじゃなく地域みんなそんな感じでした。
「保温されるから大丈夫」、「なるべく低温で育てる」と書かれてあっても、プール育苗のマニュアルはもっと穏やかな気候の土地を前提に書かれてあるので、こんな状況は想定していないような感じです。
本当ならば保温をしなければならなかったのかもしれませんが、「冷気に当てて苗を強くする」といった有機栽培の鉄則みたいな言葉に引きずられてしまった感があります。
言葉の印象ってのはやっかいなものです。
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先日、連休で家に帰ってきていた弟がスーパーからふりかけを買ってきました。某大手スーパーのブランドのふりかけで、袋の表には「化学調味料不使用」と大きく書かれていました。その他○○配合とか、××添加とか、体に良さそうなことがいくつか書いてあります。
なるほど、さすが大手ともなると、こういった健康面についても関心を向けているんだなと、感心してふと裏の原材料表示面を見ると「遺伝子組み換え不分別(遺伝子組み換え大豆が含まれいる可能性があります)」の表示!ひえ〜、化学調味料どころじゃないってーの。
食品として認可されているのだから文句を言う筋合いでもないのでしょうが、健康に良さそうなことを謳っている食品に何気なく使われていたことにビックリです。
こうやって知らぬ間に普通のものとして食卓に入っていくんでしょうね。
表に書かれてある言葉の印象、そして裏に何気なく書いてある表示の印象。ほんとに気づかない間にこういったものが、いろんなところでどんどん侵食してきているようで怖いです。
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2005年5月10日
| 電気農場の日常より 2005/05/10 |
田の畦に咲くスミレ
大雪のせいで、除雪作業に春からの仕事に向ける気力を全部使い果たした感じです。雪解けも遅くて、冬から春の切り替えがないまんま春作業に入ってしまったので、いまだにお仕事モードのスイッチが入っていません。いつの間にか種まきが終わって、いつの間にか肥料散布が終わって、いつの間にか田起こしが終わって、といった感じで、気が付いたらどんどん仕事が進んでいます。
そういえばいつもより桜が遅いなあ、なんて思っていたら、いつの間にか全部散っていました。こんな状態だと、気が付いたらいつの間にか稲刈りの時期だったなんて事になりそうな勢いです。
どこかできちんとスイッチを入れなければ。
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まあ、そんなわけで、淡々と、ロボットのようにクールに的確に仕事をこなしている(はず)訳です。
種まきの時期はほぼ例年通り、遅い雪解けのせいで、かたっぽで除雪しながら、かたっぽで種まきのを準備するといったややこしい仕事始めでした。
田んぼも雪のせいでなかなか乾かず。例年、四月中に終わる肥料散布や畦塗り(←水が漏れないように機械で畦をガチンガチンに固めるのです)は5月にずれ込みました。それでも晴れの日が多く仕事は順調に、淡々と進んでいます。牛のようにクールに的確に。
苗の生育も順調。体調も良好。なかなかいい感じの毎日です。ただ気分が乗ってこない・・・。
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一日仕事をして鏡を見ると顔が真っ赤。5月は紫外線がキツイ。
田植えが終わるころにはファーマーかサーファーかってぐらい黒くなっているんだろうな。
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映画『茶の味』のメイキングビデオ『色と形のはなし』がなかなかよい。
普通映画のメイキングというと、撮影現場の裏側を映したものだが、このメイキングは監督の頭の中にあるものが、たくさんのスタッフの試行錯誤を経て、実物のものとして色や形を得、撮影に至るまでを映し出した2時間半あまりのドキュメンタリーだ。
劇中使われる服の生地、色、デザイン。家の中にある小物の形、質感。家、公園まで、何から何までゼロから作り出される。
試行錯誤の過程でくり返し語られる言葉が印象深い。
「たぶん正解はいくつもある。たどり着いたものを私たちは正解とよぶ」
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2005年4月5日
| 電気農場の日常より 2005/04/05 |
北へ帰る
思いもよらなかった大雪のせいで、今年はまだだいぶ雪が残っています。な〜んだか、さ〜っぱり労働意欲が湧いてこないのです。
思えば冬が来るのもだいぶ遅かったので、春もきっと遅れるのかなあ。でも田植え頃には季節も追いついてきて、普通の年以上に忙しくなるだろうなあ。と、他人事のようにぼんやり考えていたりするのですが、そろそろはじめないわけにはいかないなあと、重い腰を上げて種籾の準備を始めました。
作業は例年通り。「塩水選」=比重の高い塩水に種籾を漬けて、浮いてきた籾を取り除く。続いて「温湯消毒」=種籾に付いた病原菌を60℃のお湯に浸けて殺菌する。
昨年までは塩水選をして、一週間ほど籾を乾燥させてから温湯消毒を行っていたのですが、今年は一貫作業としました。籾が水を吸った状態でお湯に浸けると芽が死んでしまうということで、塩水選をしてから一時間以内に温湯処理を終了しなければなりません。
色々段取りを考えて、あっちやって、こっちやってとなかなかややこしい作業でした。
その後、種まきまで籾を水に浸けておきます。あとはまた雪消しにはげむ毎日。
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「偽りの種子/ジェフリー・M・スミス著」(家の光協会)
遺伝子組み換え作物に関する本です。この本がかなり面白かった。というか怖ろしかった。かなり衝撃的。
「科学的に安全が証明されている」というけれども、食品として承認される過程でのデータ隠蔽、実験の歪曲・ねつ造されている実態。科学者たちへの政治的圧力。メディアによる情報戦略、というか情報封鎖。沈黙する大手メディア。実例を積み重ねて、アメリカでの遺伝子組み換え作物をめぐる実情を紹介している。
遺伝子組み換え作物についてはいろんな面での問題が指摘されているけれども、本書は内容を「食品としての安全性」に限定して書かれているので、問題点が分かりやすいです。
アメリカ政府をも動かすことの出来る力を持つ巨大企業による世界戦略。いやはや恐ろしい。アメリカ政府もコンピューター産業に代わる新しい産業としてバイオ産業を推進している。彼らにとってはビジネスでしかないのね。
メディアを抑えられたら、対抗する術はあるのだろうか。ああオソロシイ。
食べ物に興味のある人は必読。
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2005年3月2日
| 電気農場の日常より 2005/03/02 |
雪に埋もれるぅ。
雪、雪、雪。3月なのにまだ雪です。
参りました。一月末からの大雪。よくもまあ、毎日毎日尽きることを知らずにあれだけ降り続くもんだ。
おかげでビニールハウスのまわりとか、一日中除雪です。何日も。他の仕事がゼンゼンできない。
こんな毎日が一週間ちょっと続いたでしょうか。やっと雪が一息ついたと思ったら、三日もしないうちにまた大雪が続く。二月も半ばになって、やっと収まりました。ホッとしていたら二月後半から
また雪。もう3月ですよ。それでもいっこうに雪の止む気配がない。もう勘弁してもらいたい。
よく「雪を楽しむ」とか言いますけど、そう生やさしくはありません。「楽しむ」と言えばだいたいスポ−ツやレジャーです。イベントは楽しくても日常生活はやっぱり厳しい。厳しい日常を楽しむ術ってのはないですかねえ。
それにしても雪って何であんなに真っ白なんでしょうか。赤とか青だったらもうちょっと雪かきが楽しく・・・ならないかなあ?
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毎日除雪!それだけ。他に何にも出来ない。家はまだビニールハウスが一つあるだけだからいいけれど、五つも、六つも持っている家は重機を使って深夜まで除雪している日もあります。
収入になるとかプラスになる仕事ならまだいいけれども、マイナスをゼロに戻すだけの仕事ですからねえ。ほんっと、かなりのハンデです。
いくら雪が多いとはいえもう3月。ぼちぼち春作業の準備を始めなければ。でもハウスのまわりは吹き溜まりで2m以上雪が積もっている。まずこれを何とかせねば。と思っている今もしんしんと雪は降り続く・・・。ああ。
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映画『茶の味』のDVD-BOXを買いました。何ヶ月ぶりかで観たけど、やっぱりいい〜。
なんて事のない日常を描いた映画だけれど、なんて事のない日常を送ることの幸せがじんわりとしみてくる映画です。
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2005年1月28日
| 電気農場の日常より 2005/01/28 |
冬のアイガモ
正月頃から時々ものすごい大雪があります。除雪しても次から次へと積もってきます。朝から晩まで除雪、次の日もまた一日除雪、なんて時もあります。
家では大丈夫でしたが、あちこちで雪のため潰れたビニールハウスとか見かけます。雪はこわい。気が抜けません。
それでもトータルで見ると、暖冬ではないかな。いつもの年の一月なんてめったに日が差すことがないのに、今年はけっこう青空を見ることがあります。雨が降ることもあります。晴れた日に風が吹くと、どんどん雪が融けます。
大雪が降って雪が積もって、暖かくなって雪が融けて、積もって溶けてを繰り返しています。
こんな日があと一月くらい続くかな。
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雪に閉ざされた一月。田んぼや畑は積もった雪の下で眠っています。
そんなわけで、今はビニールハウスの中で、秋に収穫した雑穀や豆の脱穀作業です。寂しいったらありゃしない。
ハウスのまわりは雪、雪、雪、何の音もしません。ほんとに静か。何の音もしない中、淡々と単純作業の繰り返し。歯がゆいというか、脳みそがどうにかなってしまいそう。
それでも何とか目鼻が付いてきました。やっと出口が見えてきた。終わったらどこかに遊びに行きたいんだけど・・・。
まだまだ出口が見えないのは除雪作業。どこを見ても真っ白。早く春よ来い。 あっ、春はもっと忙しいんだ。
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一月の初めに有機認証をしてもらっているNPO法人 民間稲作研究所の稲葉先生を招いて有機稲作の勉強会をしました。
毎年一、二度は同研究所の勉強会に参加しているのですが、今回は新庄に来てもらって、地元の有機農業仲間とともに地元に密着した勉強会です。細かい突っ込んだ話も出来ました。
いつも感じるのはやっぱり気候的なハンデ。雪が無く暖かい栃木と、秋から4月末まで田んぼが乾かない新庄。5月、6月の水温もかなり違う。雑草の発芽時期とかもだいぶ違うはず。やっぱ栃木のやり方をそのまま持ってきても、なかなかうまくいかない。
結局は地元の気候に合ったやり方を自分で見つけていくしかないんだよなあ。何年かかるかなあ〜。
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冬から春は有機米が一番美味しくなる季節ですよ。お米を食べよう!
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2004年12月23日
| 電気農場の日常より 2004/12/23 |
作業小屋の前でイタチがひっくり返っていた。死んでいるのかな?と足で突っつくとヒョコヒョコ逃げていった
やっと雪が降ってきて冬らしくなってきました。雪の中の生活は大変だけれども、ちょっとホッとしました。
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今年は本当にいろんな事がありました。当初大豊作が見込まれた田んぼの方も結局は期待はずれの不作。雑誌に記事を書いたり、取材を受けたりなんて事もありました。作る作物を増やしたら、いやはや作業でてんてこ舞い。おかげでサッパリ遊びに行けなかった。空梅雨のあとの冷たい長雨、のあとの猛暑。気象による災害も各地でありました。
世間的にも私的にもほんとに今年はいろんな事がありました。いいことも悪いこともいっぱいあったけれど、振り返ってみると笑いながら過ごせたいい一年でした。来年はどうかなあ。
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アイガモ、今年も肉になりました。
今までは自分でさばいて肉にしていたのですが、今年は宮城県の処理場に委託しました。というのは田んぼの害虫対策で、来年はもうちょっとアイガモを入れる田んぼの数を増やしたいというのがあって、そうなると自分では処理しきれないので、今年試しに委託してみました。
家から処理場まで車で2時間。翌日肉を引き取りにまた2時間。
食肉処理されたアイガモはきれいに真空パックされてカチンカチンに凍っていました。おお、肉だ!さっそくその日は鴨肉をいただきました。オイシカッタ。
しかし、やっぱり自分で殺して、血を抜き羽をむしって解体して食べるのと、きれいに真空パックされた鴨肉を食べるのとでは、ずいぶん違いますね。
自分の命を維持するための行為とはいえ、他の命を奪うという行程をじかに行うのと、その行程が抜け落ちているのとでは、食べるという行為の重みの違いを感じます。
自分でさばいているときには感じなかったのに、きれいに処理された肉を食べて感じるとは。
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この時期は毎日白菜。白菜の煮物がメイン。プラス白菜の漬け物。たまにみそ汁も白菜だったりして。おかげで?たいへん健康です。
皆様、良いお年をお迎え下さい。
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2004年11月24日
| 電気農場の日常より 2004/11/24 |
刈り取り後、株からまた穂が出る。
暖かいですねえ。いつもの年だと1,2回雪が降っているんですけども、今年は週間天気予報を見てもサッパリ降る気配無し。
おかげで、いつもの年ならできない作業ができて、イソガシイ、イソガシイ。
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毎年恒例。私が参加する「ネットワーク農縁」の収穫感謝祭・交流会ということで、11月半ばに東京に行ってきました。今年は2泊3日の日程。2つのイベントを軸に、大口の顧客まわり。
山手線、総武本線、西武池袋線、臨海副都心線、京浜東北線、大井町線、田園都市線、池上線。回った、回った。目も回った。
それにしても移動するたび財布が軽くなることといったら…。
田舎にいるとあんまり意識しないんですが、東京では何をするにしても金金金ですね。
あっちに行くのに金。こっちに行くのに金。小腹が空いた金。ちょっと休もう金。ほんと、何をするにも金。なるほど、消費社会を実感です。
それから食い物。打ち上げで夕食は本格インド料理。おいしい〜。けど後がダメ。なんだか体がとっても疲れる。その後居酒屋に入って一杯やったら、なんだか酒が進まない。肴も進まない。インド料理、私の口には合うけど、体には合わないみたい。これ、インド人毎日食ってるの?エライ!
ちょっとした自然食レストラン。玄米もすごく柔らかく炊いてあってなかなか美味しい。それでも味付けが都会の味。これ毎日はムリ。でも自然食とはいえ、外食だからこれで良いのか…。
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10月後半にはお米の仕事が一段落。大豆の刈り取りも順調にいったのですが…その後がなかなか大変。
農協で乾燥・選別してもらおうと思ったら、乾燥機が大きすぎて、農家一軒分の量の大豆なんて対応できないんだそうです。
他の生産組合にも頼んでみたのですが、最近はどこも大規模生産になっていて、大きい機械しかない。
そんなわけで乾燥はあきらめ、選別だけして、後は自然乾燥と相成りました。
最近は何でも大量生産で、個人で小回りのきく農業をするってのは結構大変。
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11月13日は「ネットワーク農縁」「新庄水田トラスト」「新庄大豆畑トラスト」の交流会。
場所はJR小岩駅近くの営業していない銭湯を改装した「トージバ銭湯カフェ」なかなかユニークな場所でした。
新庄から持ってきたお餅や、参加者が持ち寄った手料理、脱衣所にテーブルを並べての昼食会。天井がすごく高くて気持ちいい。銭湯で食事したのは初めてでした。
14日は臨海副都心でのイベント「ビーグッドカフェ」に参加。
テーマは「社会的責任投資とお米の話」ってんだけど、いやはや、司会の方のテンポが速くて、何がなにやらサッパリわからんうちに話がどんどん進んでいく。
それはそうと、今回参加の目的は「新庄水田トラスト」がこのイベントで取り上げられたこと。
新庄からやってきた農家が壇上にていろいろと話をする。もっとも私は人前に出るのが苦手、というかキライ。というわけで影ながら声援を送っていたのですが(^_^;)、なかなかこれが好評だったよ
うです。
環境問題や社会的な問題に感心のある若者のイベントとはいえ、農家がしゃべるのを見る・聞く機会がないらしい。
農家のトーチャンたちの朴訥な語りは農業を見たことも、聞いたこともない?若者たちに感銘を与えたよう。
百姓は田んぼや畑にいくらでもいますよう。声を聞きたければ田んぼに来るべし。
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2004年10月25日
| 電気農場の日常より 2004/10/25 |
畑ではでんでん虫の産卵
今年の天候はすごいですね。猛暑だったと思ったら、台風が何個もやってきてあちこちで洪水や土砂崩れ。さらに先日の新潟大地震。幸いこちらの方は台風も、地震も大した影響がありませんでしたが、それにしても天災は何時我が身に襲ってくるか予想はつきません。自然相手の仕事をしていると、そのへん、ほんとにリアルに感じます。
被災された方々はこれから寒くなる中、ほんとに大変だと思います。
今年の農業は台風など天災の影響による野菜不足で価格は高騰、当初大豊作と予想されたお米も結局は平年並みに修正されそう。
来年はBSE問題解決せぬままアメリカ産牛肉輸入再開されそう。北海道では遺伝子組み換えダイズが商業栽培されそう。
農家の相手は天候だけではないみたい。
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今年は天候に恵まれ、稲の生育が早く稲刈りが始まったのは早かったのですが・・・。害虫の影響で生育の後れた穂があとになってから稔りだし、なかなか刈り時の判断が難しい。2,3割ならば割り切って刈り取ってしまうのですが、けっこう青い穂があり、それがいつまでたっても登熟が進まない。
そうこうしているうち朝晩冷え込むようになり、これ以上待つと先に稔った籾の品質も低下してくるという事もあり、けっこう青い籾が残ったまま刈り取りました。
それでもいつもの年よりだいぶ遅い刈り取りです。ほんとに自然相手の商売は思った通りには行かないなあ。
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コンバインで穂を刈り取って脱穀した籾を、乾燥機で水分15%程度に乾燥。その後、籾を剥いて玄米にする籾摺り作業。クズ米と玄米を選別する作業をして、やっとできあがりです。
お米自体はここでできあがりですが、販売するには米検査を受けなければなりません。もっとも別に受けなくても販売はできます。お米になっているんですから。
ただし、検査を受けないと品種や、産年、生産地を表示してはいけない決まりになっています。
知り合いに何の表示もせずに売るには問題ないでしょうが、インターネット等で不特定多数の人に販売となると、そうもいかないのかなあという気もします。
そんなわけで検査を受けているのですが、この検査では主に見た目がチェックされます。その他含水分や異物の混入などもチェックされます。そこで一等米から三等米、規格外米に分類されるわけです。
有機栽培で農薬を使っていないと、実る途中病気で枯れて白濁したままの粒や、害虫の影響で斑点が着いた米など、この見た目でけっこう等級が落ちてしまいます。
産直なら問題ないですが農協流通だと等級が下がると値段も下がってしまうから大変です。収益を上げるには農薬を使わざるをえないといった現状です。
ところで家のお米は毎年この斑点米の原因となるカメムシに泣かされてきたのですが、今年は何とか一等米に滑り込みました。徹底した管理が良かったか、それとも天候のおかげか?
もっともさわのはなは三等米にランクされました。もともと見た目が悪く、一等米になりにくいと市場から姿を消したお米です。
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お待たせしました。新米販売開始しました。
除草剤一回の有機肥料100%あきたこまち、
転換期間中有機栽培さわのはな、
有機栽培ササニシキ。です。
それぞれ違った味わいのあるお米です。お試し下さい。
平成16年10月25日
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