飯豊町そしてお隣の長井市では、それぞれの町(市)の各地区ごとに勇壮な黒獅子祭りが毎年夏を中心に行われます。
万宝院ファームのある下椿地区でも、昨年は7月最終週の土曜日に黒獅子祭りが行われました。
地区の方々は初顔の私を快く迎え入れてくださり、祭り前日に獅子舞の練習をして、当日は各農家を巡り歩き黒獅子の舞を披露しました。
この獅子舞、鉄板の入っためちゃくちゃ重い黒獅子(5キロ、いやもっと重い鉄アレイ)を頭上で両手で支えながら舞うのですが、独特のがに股ステップと切り返しで5分も踊っていると息もゼイゼイ、汗だくでふらふらになります。。。40才超えて初参加のおじさんには。。
ちなみに黒獅子、各地区ごとに表情が異なります。特に顕著なのが長井市の黒獅子はみんな目が前向き、飯豊町のものは上向きなんです。下椿地区のものはもちろん上向き。由来は聞いたけど忘れてしまいました^^
大人が見るとおどけた顔で面白いのですが、子供や赤ちゃんがみると激怖のようで近づくだけで大泣きです。
お祭りはというと、警護役の上半身肌の屈強な男性と黒獅子が地区の各農家を一軒ずつ廻り、玄関先で勇壮な獅子舞を披露し五穀豊穣・無病息災を祈願し、警護が荒れ狂う!?黒獅子を先導していきます。黒獅子は自由奔放に舞っていきたいのですが、警護が行く方向を力づくで導きます。
練習場所もそれぞれの地区の氏神が祀られている神社で行います。日が暮れるとどこからともなく若衆が集まり、本番へ向け囃子と太鼓に合わせ獅子を頭上にかざし交代で舞の練習。
田舎の神社、侘び寂びの風情漂い、ひぐらしが鳴いているなか舞うのはなんとも言えない心地よさ。周囲の暗闇に目を向けると、ぼーっと蛍の光が幻想的に瞬き、あたかも時空を超え遥かな昔に舞い戻ったような感覚に襲われます。
祭り当日はまず神社から出陣し、夜遅く帰陣。道中、訪問先の各家では清酒と料理が振る舞われ、最後の方は酩酊しながら舞ってました。
黒獅子の歴史は、今から約千年ほど前、源頼義が前九年の役の戦勝祝で兵士たちに獅子舞をさせたのが始まりと伝えられてます。
飯豊町の隣の長井市は、鎌倉幕府源頼朝政権下のナンバー2、大江広元の次男(長井時広)がこの地(長井荘)を治めていたことから長井氏を称し南北朝時代まで続き、最期は伊達氏に滅ぼされたという歴史に彩られた地です。
こうして歴史を紐解くと、源氏との関係が深い地なんですね。
ここ置賜は、鎌倉幕府初代政所別当を先祖に持つ長井家、戦国時代は伊達家、そして江戸期は上杉家と、武門の名門が治めていた尚武の気風を色濃く残す地域だったと改めて実感し、黒獅子の荒々しさに納得です。
今年の黒獅子祭りではもっと豪壮に獅子を舞ってみたいものです。もやしっ子のおっさんにはきびしいかな。。